''『鯉の洗い、鯉の味噌煮、鯨骨(かぶらぼね)と針生姜の吸い物、そして酒』''
『鯉の洗い、鯉の味噌煮、鯨骨(かぶらぼね)と針生姜の吸い物、そして酒』
ここからは、第三話「芸者変転」になる。
『鯉の洗い、鯉の味噌煮、鯨骨(かぶらぼね)と針生姜の吸い物、そして酒』、
この料理は、最後のシーンで四谷の御用聞き・弥七と小兵衛が、小兵衛の住む
鐘ヶ淵の家で食べている。
この第三話のゆすり事件で、小兵衛は弥七に事件解決のために情報収集を依頼
している。
事件解決後、小兵衛は、弥七の労をねぎらうために、弥七を鐘ヶ淵の家へ招き、
これらの料理でねぎらう、というシーンである。
小兵衛みずから包丁を把って料理した鯉の洗いと味噌煮。鯨骨と針生姜の吸い物など で、二人とも威勢よく飲み、食べた。 おはるは、大金が入ったので大よろこびとなり、はねまわるようにして立ちはたら いている。 ただよいはじめた夕闇の中に、若葉のにおいがたちこめてい、どこかで蛙の鳴く声 がきこえた。 (P151~152)
鯉の洗い、鯉の味噌煮は分かるとして、「鯨骨(かぶらぼね)と針生姜の吸い物」
というのが、どういうものなのか。
この時代、鯨がどのように流通していたのかぜひ知りたいものだ。